こんにちは。
パズドラ10周年まで1週間を切りました。ここまで長く遊べていることを嬉しく思います。
さて、今回は10周年記念ということで、ここ数年のパズドラを振り返ろうと思います。
直近1~2年でパズドラは大きく変わり、「曲芸士」に匹敵するほどの変化があったと思うので、その経緯と私の思いを順に綴ります。
初めに断っておきますが、私は10年間パズドラを楽しんできた者です。パズドラに対する期待が大きいがゆえに少々強めの口調になることもあると思いますが、ご容赦ください。
3万文字近いかなり長い文章になってしまいましたが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
はじめに
2020~2021年のパズドラを一言で表すなら「多様性の排除」が適切だと考えています。
以降で、その理由を歴史と共に振り返ります。
列界の化身とアテンと固定ダメージ
2020年2月で8周年を迎えたパズドラ。最初に実装された大きなダンジョンは「列界の化身」でした。
2020/03/12(木)に、テクニカルダンジョン「極限の闘技場」に新フロア「列界の化身」が登場します。
厄介なダンジョン
このダンジョンにはいくつか印象的な要素がありました。
1つ目は、4Fアテンと12F潜在たまドラが防御力20億という超高防御だったことです。
当時、1体で20億の火力を出すことは想定されていなかったため、固定ダメージスキルなしでは単色での攻略は厳しく、多色のガードブレイクを利用した攻略が主流となっていきます。
2つ目は、初の超根性が実装されたことです。
当時、覚醒「追加攻撃」で根性対策をするのが基本であり、一応存在していた超追加攻撃は99ダメージしか与えることができなかったので、根性対策では超根性を対策できませんでした。
(超追加攻撃は2019/07/25(木) Ver.17.3のアップデートで2ダメージから99ダメージに上方修正されています)
4Fアテンは10%超根性、HP100万、防御20億であり、ガードブレイクを使わない場合は2回連続で20億以上の火力を出す必要があるため、突破が非常に困難な敵であると分かります。
3つ目は、14Fマイネが死亡時にセリフを残すことでリーダースキルの軽減を解除し、15Fクロネが先制で覚醒無効と9万8000ダメージを使用してくることです。
当時、耐久は片側実質HP2倍が主流だったため、HP倍率が1.5倍未満のリーダーでの攻略は厳しいダンジョンでした。
4つ目は、7×6マスで挑むと10F濃姫がとんでもない妨害を行ってくることです。遅延、覚醒無効、操作不可と好き放題です。
この頃は7×6リーダー (ファスカ等) がよく使われるようになっていましたが、このダンジョンの登場によって完全に駆逐されました。
また、これは5つ目と言うほどではないですが、7F不動明王が盤面に毒があると19万ダメージを与えてくることも挙げておきます。
6Fフレイヤの毒目覚めとのコンボだと考えられますが、実はそれだけではありません。
当時、最高峰の火力を出せるキャラとして、遊戯王コラボのバクラがいました。バクラは毒の加護により覚醒だけで50倍の倍率を出すことができました。
(2019/12/30(月)~2020/01/13(月)に登場)
しかし、バクラを編成すると7F不動明王から毎ターン19万ダメージを受けることになるため、使われることはありませんでした。
最新の強キャラ対策を怠らないのがパズドラです。
因みに、この影響によるものかは知りませんが、これ以降に毒の加護やお邪魔の加護が活躍することはほとんどなくなります。
このように、列界の化身はとても厄介なダンジョンとして登場しましたが、安定攻略リーダーが続々と登場することになります。
多色とアテン
2020/03/02(月)~2020/03/16(月)に「ミッキー&フレンズ」イベントが開催され、ミッキー&フレンズが列界の化身の攻略リーダーとしてよく使われるようになりました。
ミッキー&フレンズは多色かつHP倍率の条件を満たしているだけでなく、列界の化身でよく使用される操作時間減少をリーダースキルで対策できる点でも優秀でした。
さらに、多色が使われた理由はガードブレイクができるというだけでなく、極醒アテンの登場による影響が大きいです。
極醒アテンは、2020/02/19(水)にアテンの新たな進化形態「極醒の天陽神・アテン」として追加されました。
列界の化身のボス級モンスターはすべてタイプを3つ持っているため、極醒アテンは光の1コンボだけで270倍という今までとは比べ物にならない火力を出すことができます。
さらに、列界の化身は敵のHPが最大でも16億であり、1体の火力だけでも倒しきることができます。
(カンストによって倒しきれないことがないという意味です。カンストに関しては後述します)
そのため、火力を極醒アテン1体にすべて任せることで、火力不足になりがちな多色パーティを運用することができていたわけです。
なお、極醒アテンの存在は今後の難関ダンジョンのダンジョン内容に大きな影響を与えることになります。詳しくは後述します。
単色と固定ダメージ
ここまで多色の話をしてきましたが、もちろん攻略可能な単色パーティも登場します。
まず、単色の攻略の手助けとなったのが固定ダメージスキル、特に複数回発動するスキルです。
例えば、2020/05/25(月)~2020/06/08(月)にDMCコラボが開催されましたが、その中の「V+ナイトメア」のスキルは「敵1体に50万の固定ダメージ×3回。」でした。
これは4Fアテンと12F潜在たまドラを倒すために生まれたスキルと言っても過言ではありません。
これ以降、複数回の固定ダメージスキルが登場するようになります。
また、スキル面だけでなく、リーダースキルも列界の化身に対応するようになります。
つまり、4Fアテンと12F潜在たまドラを突破できるように、追い打ちとして固定50万や固定100万を持つリーダースキルがたくさん登場するようになります。
例えば、ガンホーツクヨミがHP2倍、固定50万のリーダースキルを持っていることから、ツクヨミ×ノルザの単色パーティがよく使われました。
もともとリーダースキルの追い打ちは「攻撃力×…倍の追い打ち」というものでしたが、これ以降に登場する追い打ちリーダースキルはほぼすべて固定ダメージになり、「追い打ち = 固定ダメージ」という印象すら持たせることになります。
そもそも追い打ちのリーダースキルが蔓延することによって覚醒「追加攻撃」の価値は大きく下がり、リーダーをコンボ加算×固定ダメージとすることで根性対策をするのが一般的になっていきました。
これ以降、覚醒「追加攻撃」が使われることはなくなっていき、そもそも追加攻撃を持ったキャラが登場することはほとんどなくなります。
そして、これ以降に登場するリーダースキルはほぼすべてコンボ加算持ちか固定ダメージ持ちの2種類のみになります。
ここでリーダースキルの多様性の排除が起こっていると見ることができます。
閑話: 対策スキルの画一化
消せないドロップ、バインド、覚醒無効状態を全回復
パズドラには様々なギミックが存在しますが、そのうち「消せないドロップ」の対策スキルとして初めて登場したのがフェノンです。
フェノンは2019/05/27(月)~2019/06/10(月)に開催された龍楽士シリーズの最高レア度のキャラとして追加されました。
このスキルの登場以降、消せないドロップ回復スキル前提の敵の行動が増えていきました。
代表的な例として、列界の化身のボスのオーディン=ドラゴンがいます。この敵は先制で5ターンの覚醒無効と消せないドロップ (回復ドロップ) を使用します。
この変化により、対策系のスキルとしては、どのダンジョンでも覚醒無効回復と消せないドロップ回復を用意し、ダンジョンによってダメージ吸収無効を用意するという構成が一般的になりました。
さらにオーディン=ドラゴンの影響もあってか、覚醒無効回復と消せないドロップ回復を同時に行うことのできるスキルが重宝されるようになります。
その影響で「消せないドロップ、バインド、覚醒無効状態を全回復」のようなスキルが大量に登場することになります。上記ミッキー&フレンズもそのうちの1つです。
もともと、ほとんどのキャラは覚醒無効回復5ターンだけや消せないドロップ回復5ターンだけなど、どちらか片方しかできない上にターンが限定されているのが基本でした。
そのため、ダンジョンごとに自分の編成に適したスキルの組み合わせを模索することを楽しめました。
しかし、新キャラの登場やスキルの上方修正が入るたびにほとんどのスキルがこのスキルに置き換わり、キャラクターとスキルの多様性があっという間に失われました。
「消せないドロップ、バインド、覚醒無効状態を全回復」がよほどお気に入りだったのでしょう。
このような経緯から、既存キャラの強化をすることは良いことなのですが、それよりもキャラクターごとの個性を大切にしてほしいと強く感じるようになりました。
ゼレンバス降臨の標準化
すべての始まり
最近の最難関ダンジョンの礎となったダンジョンといば「ゼレンバス降臨!」だと思います。
ゼレンバス降臨は、2020/06/19(金)12:00~2020/06/26(金)23:59に新たな降臨ダンジョンとして登場しました。
このダンジョンの敵はHPが低く、行動が単純です。
その代わり、ほぼ全員が超根性持ちで、ダメージ量が非常に大きいです。しかも、1Fからちびキャラ(~ナイト)が4体出現します。
超根性持ちなので、絶対にダメージを受けなければなりません。
ダメージ量としては、1Fから合計20万超えのダメージ、ボスでは35万ダメージを与えてきます。
実質HP2倍のリーダーでは当然耐えることはできませんが、敵の行動が単純なので、スキルをダメージ軽減系のスキルに割くことができ、ダメージ軽減を常時発動させることでなんとか耐えきることができます。
ゼレンバス降臨はこのように尖ったダンジョンであり、こういうダンジョンがあっても面白いと考えていました。
しかし、このダンジョン内容が今後の難関ダンジョンに標準搭載されるようになるまでそう遠くはありませんでした。
裏修羅の幻界と無効パ対策
列界の化身や裏列界の化身は厄介なダンジョンとして登場しましたが、敵のダメージ量は以前のダンジョンからそれほど変化していませんでした。
例えば、2個前の裏運命の三針では2F五右衛門の先制16万2000ダメージを耐えることが耐久面の目安となりますが、裏列界の化身もボスの15万8000ダメージを耐えることができれば攻略可能であり、片側実質HP2倍のリーダーで十分です。
そんな中、2020/06/25(木)に新たなテクニカルダンジョン「修羅の幻界/魔門の守護者」が登場します。
新たな方向性
このダンジョンは、敵の行動が非常に単純ですが、敵のHPと攻撃力が高いという特徴を持っていました。
特にボスのメノアが問題で、実質HP200億であり、最大27万ダメージを使用してきます。
前述の通り、以前の敵のHPは高くて15億程度だったため、桁違いの耐久であることが分かります。あのヴィーザルをも上回るHPです。
敵の攻撃力は以前と比べると2倍弱であるため、片側実質HP2倍のリーダーでの攻略は非常に困難であり、当時安定してクリアできるリーダーは少ない状態でした。
また、2015年5月にマシンタイプが追加されてからマシンの多い高難度ダンジョンは少なかったので、マシンキラーが刺さりやすいという意味も含むダンジョンだったと思います。
このようにかなり高難度なダンジョンである代わりに、クリアすると4000万経験値が入手できるということで、ランク上げの面でも非常に画期的なダンジョンでした。
攻略法の限定と裏の存在意義
ここまでの説明ではクリアが非常に困難だという印象を持ちますが、編成難度が低くて再現性の高い攻略編成が登場します。敵の行動が単純であるがゆえに、覚醒「属性軽減」を利用した属性無効編成 (以降では無効パと記載) で簡単に攻略できるというものです。
2019/12/05(木)に「ドット・ホノりん」たちが追加されたことで、無効パの編成難度が大きく下がっていたということも影響していたと思います。
これにより、1時間未満で経験値4000万の安定周回が可能となりました。
しかし、これは運営の意図に沿わない攻略方法であることがすぐに分かります。
ダンジョンが実装されて1週間半程した頃、運営から以下のような文面が公開されます。
[2020年7月6日 12:33掲載]
パズドラ運営チームです。
新たなテクニカルダンジョン「修羅の幻界【ノーコン】」は高難易度ダンジョンとして実装いたしました。しかしながら、特定の状況を作ると容易にクリアできてしまうという、バランス調整面の不備があった点を確認しております。
パーティーの組み合わせ次第で、いくつもの攻略方法が存在することはパズドラならではの魅力だと考えておりますが、現在の状態は今後のゲームバランスへ大きな影響を与えることが懸念されるため、「修羅の幻界【ノーコン】」の内容調整を実施させていただきます。
これに伴いまして、Ver.18.4アップデートにて予定しておりました『「修羅の幻界【ノーコン】」ダンジョンに一部希石が出現するバトル追加!』は延期し、改めて7月8日(水)のメンテナンスにて、双方の対応を実施させていただきます。
配信後の内容調整となり、運営チームとしても大変心苦しい対応ではございますが、何とぞご理解をいただければ幸いです。
以前から敵の発狂行動は「属性変化+連続大ダメージ」や「覚醒無効+連続大ダメージ」が多く、属性軽減と根性の対策がなされているのが基本でした。
なぜなら、2015/09/01(火)に機操士シリーズが追加されてから、属性変化スキルと属性軽減を組み合わせることで先制攻撃以外を完全に無効化することができるようになったからです。
ただ、あくまで魔門の守護者は敵の行動が単純ということがコンセプトなので、そういうものだと思っていましたが、そうではありませんでした。
運営の想定した難関ダンジョン攻略用リーダーを使い、運営の想定に近い編成で、運営の想定した戦い方で勝たなければいけなかったようです。
この考え方は、今後どんどん激化していくことになります。
そして、この辺りから、パーティ編成や戦い方の多様性が徐々に失われていくことになります。
さて、この問題の解決策として登場したのが「裏・修羅の幻界/裏魔門の守護者」です。
このような経緯があったことから、なんと表登場から約2週間後の2020/07/09(木)に裏が登場することになりました。
表からのダンジョンの変更点として、ボス前のメノアが毎ターン属性変化するようになり、属性変化行動のみを行う希石が登場する階層が道中に追加されました。また、表の獲得経験値量が大幅に減りました。
ここから、「裏」のダンジョンは「表」のダンジョンに希石の階層が追加されるだけで、その他はほとんど変わらないという方向性に変わります。
折角、表裏という2種類のダンジョンを用意するのが慣例となっていたにも関わらず、表裏の差をほとんどなくすことでダンジョンの多様性が失われることになってしまいました。
また、これ以降に登場する難関ダンジョンでは無効パ対策が徹底されることになります。
徹底中の徹底です。今後の難関ダンジョンの敵の行動を総計したとき、最も多い行動は間違いなく無効パ対策用の行動だと思います。今後もこの話題はよく登場するので心に留めておいてください。
カンストの利用
ここまでで属性軽減に関する話題を述べましたが、魔門の守護者で触れるべき点はもう1点あります。
それは、上限値 (カンスト) についてです。
カンストを簡単に説明すると、ダメージや所持コインなどすべての数値の上限が約21億になってしまう問題のことです。
カンストに関して詳しく説明したのが以下のコラムです。少し専門的な内容になるので、読み飛ばしても構いません。
カンスト
パズドラは以前32bitのシステムで作られていました。
すると、整数はint型 (32bit符号付整数型) で表されることになるため、システムで表現できる整数の範囲は以下になります。
– 2 ^ 31 ≦ 整数 < 2 ^ 31
つまり、-2,147,483,648 以上 2,147,483,647 以下の整数しか扱うことができません。
そのため、例えばどれほど火力を上げたとしても、1体あたり 2,147,483,647 のダメージまでしか与えることができないことになります。
このように、システムの問題によりすべての数値の上限が約21.5億になる現象のことを、通称カンストと呼びます。
この現象により実用的な問題がいくつも露呈して修正を望む声が相次ぐ中、9周年記念直後のアップデート 2021/02/22(月) Ver.19.0 で64bitに仕様変更され、上限の問題は解消されました。
ボスのメノアのHPは実質200億であり、カンストを考慮するとワンパンすることはほぼ不可能になります。
一応、6体全員の主属性と副属性がすべてカンストすれば合計250億のダメージを与えられるので倒すことはできますが、全員の副属性をカンストさせることは現実的ではないため、ワンパンはほぼ不可能です。
本来、意図しない挙動は仕様とは言わず、修正すべき点です。
もともとパズドラがダメージ上限約21億という仕様で作られていたとは考えられず、そのような内容が運営から発表されたことは一度もありません。
覚醒スキルやエンハンスの表記通りの倍率が出ていないわけですから、当然修正すべきです。
しかしながら、都合よく利用できるものは何でも利用するのが人間です。
メノアのHPは実質200億なので、このカンストを視野に入れたHP調整をされているということが分かります。
意図しない挙動を正規の仕様として利用し始めたのです。
少し話が変わりますが、先程からHPを「実質」200億と表現しているのには事情があります。
それは、味方のダメージだけでなく、敵のHPの上限も同じく約21億であるということに由来します。
メノアはHP200億を達成するために、実際のHPは20億とし、先制999ターン90%軽減を使用します。
(余談ですが、超壊滅無限回廊の極醒闇カーリーも同じように999ターン99%軽減を使用することで実質HP250億を実現していました。先程話題に出たヴィーザルは99ターン90%軽減で実質HP150億です)
さらに、今後に登場するダンジョンのボス級モンスターはほぼ全員先制でダメージ軽減を使用するようになります。
このように、ダメージ軽減が実質HP量を増やす目的にのみ使用されることとなり、本来のダメージ軽減の使い方ができなくなりました。
ここでは敵の行動の多様性が失われたと捉えることができます。
閑話: システムに頼ったキャラ1
キラー数の増加
カンストを正規の仕様として利用し始めてから、カンストを前提としたキャラが登場するようになります。
例えば、2020/09/29(金)に新たなドット進化であるドット・ロビンフッド等が追加され、2020/12/21(月)~2021/01/04(月)に開催されたガンホーコラボで新キャラのフォンセ、エクレール、シエルが追加されました。
キラー持ちのキャラについて、以前はキラー3個持ちで同じ潜在キラーを振れないか、キラー2個持ちで同じ潜在キラーを振れるか、というのがキラー倍率の限界でした。
つまり、キラーの刺さる相手であっても自身の覚醒ではせいぜい30倍程度が限度です。
しかし、ドット・ロビンフッドやエクレールはキラー4個持ちで他火力覚醒持ちの上、同じ潜在キラーを振ることができます。
つまり、キラーの刺さる相手には自身の覚醒だけで1093.5倍もの火力を出すことができます。
これは以前のキラー持ちと比べると30倍以上の火力となっており、容易にカンストまで達します。
カンストを前提とした敵のHP調整がなされたすぐ後にこれらのキャラが実装されたことから、カンスト前提で1体あたりの火力が高すぎても問題ないという調整意図が読み取れます。
意図しない挙動であるカンストを利用するにとどまらず、カンストを前提とした調整を始めてしまいました。
カンストを前提としたキャラ調整を行った場合、今後のゲーム運営に大きな支障をきたす可能性があります。
なぜなら、今後カンストの問題が解消された場合、ゲームバランスが崩壊する可能性があるからです。
実際、この安易なキャラ調整が編成の多様性を奪うことに繋がってしまいます。
魔廊の支配者とダンジョン内容の固定化
魔門の守護者が難関ダンジョンとして登場して3ヶ月も経たないうちに、新たな難関ダンジョンが実装されます。
2020/09/17(木)にテクニカルダンジョン「修羅の幻界」に新フロア「魔廊の支配者」が登場し、2020/12/17(木)に「裏・修羅の幻界」に新フロア「裏魔廊の支配者」が登場します。
この辺りから、難関ダンジョンの実装ペースが急激に速くなっていきます。
個性の喪失
このダンジョンは魔門の守護者よりも火力が高くなり、敵の行動が単純ではなくなったダンジョンです。
つまり、耐久と火力と面倒臭さのすべてを兼ね備えたダンジョンということです。
列界の化身は面倒臭さ、魔門の守護者は高火力高耐久という各々の特徴がありましたが、このダンジョンはある意味個性が薄いダンジョンであると言えます。
敵の火力の目安は60万であり、魔門の守護者の2倍以上に上がっています。
ゼレンバス降臨から3ヶ月、ついにゼレンバス超えが当たり前となる時代が到来してしまいました。
ダンジョン内容としては、まず序盤に超根性を持ったちびキャラがたくさん登場します。例えるならゼレンバス降臨のような内容です。
ちびキャラを終えると、全員根性持ち、ほぼ全員HP発狂持ちの敵が出現します。
当然、無効パ対策にちびキャラが属性変化の行動を使用します。その上、【同キャラ禁止】でも無効パ対策を行っているため、対策は万全です。
さらに、これでも無効パ対策が足りていなかったためか、裏魔廊の支配者では全員がターン発狂を持つことになります。
ユーザが楽しむことよりも運営の気に入らないものを排除することの方が大切だと言わんばかりの調整です。
さて、先程のちびキャラについて、序盤にちびキャラを置くことのメリットはいくつかありますが、ここでは2つ紹介します。
1つ目は、ギミックを網羅できる点です。
ちびキャラは複数体同時に出現することができるので、先制行動の数を増やしてあらゆるギミックを必ず使用することができます。
2つ目は、アテン対策ができる点です。
ちびキャラはタイプを1つしか持っていないため、あの極醒アテンでも30倍の倍率しか出すことができません。
さらに良いことに、進化用モンスターや強化合成用モンスターならアテンのキラーがまったく刺さらず、10倍の火力しか出せなくなります。
これなら列界の化身のようにアテン1体にすべて倒されてしまうことがないので安心です。
ここまでで魔廊の支配者のダンジョン内容と意図について触れましたが、実は今後に登場する難関ダンジョンはすべて裏魔廊の支配者とほとんど同じダンジョン内容となります。つまり、以下のようなダンジョン構成です。
序盤は超根性持ちのちびキャラが多数出現し、先制で遅延やバインド、スキル封印など変身キャラの妨害となる行動とあらゆるギミックを使用します。数階層に渡り、通常行動で属性変化を使用します。
ダンジョン全体を通して、全員が根性持ち、全員がターン発狂持ち、全員がHP発狂持ちです。
ちびキャラ後の道中は各階層ごと2~3体の中からランダムで1体出現します。数階層に渡り先制攻撃を使用します。
ボスだけは、道中キャラの数倍のHPを持っており、ターン発狂がありません。ボスはHP50%以下になると1度だけ大ダメージと対策しづらい行動を取ります。
ダンジョンの長さは13~17階層程度です。
以上が以降で登場する難関ダンジョンに共通する特徴です。
このように、構成や敵の行動が固定化されていて、敵モンスターやダンジョンの多様性が失われていることが見て取れます。
称号チャレンジによるアクションゲーム化
ここからは、魔廊の支配者の特徴とも言える「称号チャレンジ」について話そうと思います。
「称号」は、2020/09/17(木) Ver.18.5のアップデートで新機能として実装されました。
画像のように、プロライセンス所有プレイヤー、公認プレイヤー、ランキングダンジョン優勝者などを表示するためのものです。
これに加え、難関ダンジョン実装時のクリア者を表示するためのものとしても使われるようになりました。
その初の試みが魔廊の支配者実装時の「魔王チャレンジ」です。
魔廊の支配者の魔王チャレンジでは、先着1000名に称号が与えられるという仕様でした。
ここから、他ユーザと運営の対応による影響をなくし、不正 (ダンジョンリセット等) の可能性を断つように、裏魔廊の支配者実装時には少し仕様変更された魔王チャレンジが再開催されることになります。
裏魔廊の支配者の魔王チャレンジでは、【制限時間60分】という制限がついた代わりに、クリア者全員が称号を獲得できるようになりました。
称号の敷居を下げた代わりに、速くクリアできる編成を推奨するようになったと言えます。
例えば最近の称号チャレンジだと、裏四次元の探訪者の時空チャレンジは17階層で制限時間45分でした。
これは、ダンジョン内容と立ち回りを完全に把握した上で思考時間を可能な限り削ることでようやくクリアすることができるくらいの時間です。
パズドラはもともと盤面とじっくり向き合うターン制のゲームであり、アクション要素のパズルは完全にターン内に収まるものでした。
そして、消費時間というアクション要素を取り入れたのがランキングダンジョンであり、通常のダンジョン攻略とは明確に区分されていました。
しかし、称号チャレンジが行われるようになってから、通常のダンジョン攻略にもその概念が持ち込まれるようになります。
実際、竈門炭治郎やデイトナといったリーダースキルの発動が簡単で、エンハンススキルにより敵を素早く倒すことのできるキャラが多く実装されるようになります。
これ以降、変身キャラのスキルはほぼすべて「生成 + エンハンス」に固定化されます。
称号チャレンジに重点を置きすぎるあまり、キャラの多様性が失われることに繋がりました。
(素早くクリアできることは良いことですが、ここでは「攻略」と「周回」を明確に区別しているため、すべての攻略キャラに速さを求めているわけではありません。詳しくは後述します)
また、称号チャレンジの存在は難関ダンジョンの実装ペースを上げることにも大きく貢献することになります。
耐久とドロップ供給のインフレ
ダンジョンの説明から分かる通り、魔廊の支配者は実装当初、安定攻略がほぼ不可能なダンジョンでした。
理由は簡単で、敵のダメージ量が以前のダンジョンの2倍~4倍に増加しているからです。
そこで、魔廊の支配者を攻略可能なリーダーが続々と実装されることになります。
まず印象的だったのは、2020/10/27(月)~2020/11/10(月)に開催された鬼滅の刃コラボです。
このコラボで登場した竈門炭治郎は、実質HP2.66倍のリーダーで、リーダースキルの発動が非常に簡単で、2ターン生成という非常に強力なスキルを持ったキャラでした。
自身のスキルを使えば必ずリーダースキルを発動させることができる上、変身時の防御減スキルはまるで魔廊の支配者2Fドラゴンシードの対策であるかのような性能をしています。
このキャラの登場により、実質HP2倍が主流だった時代からHP倍率が3倍に近づくようになり、単色リーダーは2ターン生成スキル持ちが当たり前となりました。
もともと単色編成はドロップ不足を立ち回りでどうカバーするかということが問題となっていましたが、今後はドロップ不足が起こらないことが前提の時代に入ります。
そして、2020/11/23(金)~2020/12/14(月)に、新シリーズ「式神使いと妖」のイベントが開催されます。
このシリーズで追加されたセイナとリュウメイは簡単にリーダースキルを発動できる実質HP3倍のリーダーです。
HP倍率が3倍に近づくと言いましたが、瞬時に到達しました。
もちろんそれだけにとどまりません。追加されたミカゲはリーダースキルの発動が難しい代わりに実質HP4倍のリーダーとして登場しました。
実質HP4倍というだけでも驚きなのですが、ミカゲの覚醒は当時最高クラスの性能を誇っていたため、非の打ちどころがなく本当に衝撃的でした。
このように、最難関ダンジョンに焦点をあてた新キャラ実装を行うことにより、耐久面、火力面、ドロップ供給面のインフレが急激に進行するようになりました。
耐久面のみならず、安定したドロップ供給を前提とする価値観に変化したため、これ以上の発展性が見込めないのではないかと疑うレベルのインフレ具合だったと考えています。
閑話: 絶壊滅級の登場と降臨ダンジョンの周回
2020/11/30(月)に、降臨ダンジョンに新たな難易度「絶壊滅級」が追加され、絶壊滅級の新たな降臨ダンジョン「ジュロンド 降臨!」が登場しました。
絶壊滅級となり、特にジュロンド降臨では今までの降臨ダンジョンから格段に難易度が上がったと感じました。
もともと、降臨ダンジョンの周回は、降臨キャラのスキル上げを目的とすることがほとんどでした。
しかし、ガンホーコラボダンジョン3やガネーシャの財窟を利用して簡単にピィ確保用の周回ができるようになってから、スキル上げ方法が降臨の周回からピィ周回で入手したピィへと変化していくことになります。
その上、周回や攻略で使えそうな降臨キャラがそれほど多くなかったという現状から、昔と比べると降臨ダンジョンの周回の優先度が非常に低くなったと感じているところでした。
そこで、難関ダンジョンの難易度を意識した降臨ダンジョン「ジュロンド降臨」が登場したことで、今までよりも降臨ダンジョンは周回用ダンジョンから攻略用ダンジョンとしての個性の方が強くなってきているのではないかと感じました。
このような経緯から、周回編成の考察が好きな私としては、今後降臨ダンジョンの周回が厳しくなることを少し懸念していました。
しかし、絶壊滅級の降臨ダンジョンが増えていくにつれ、そのような心配は消えてゆきました。
特に、2021/05/12(水)から登場したアポピス降臨は新ギミックのスキルヘイストにより非常に周回しやすく、また、アポピス自身が非常に周回性能の高いキャラであったことから、周回を楽しむことができていたと思います。
そのほかにも魅力的なダンジョンが多く、今でも降臨ダンジョンは難関ダンジョンとは少し違った周回寄りの立ち位置を確立しています。
上限解放と9周年
ダメージ上限と潜在覚醒の意義
すべての面でインフレが進む中2021年が訪れ、パズドラは9周年を迎えました。
インフレにより火力も敵HPも21億では収まりきらないという問題が発生していたため、9周年のアップデート 2021/02/22(月) Ver.19.0 でカンストの問題が解消されることになりました。
しかし、ここで問題だったのは、モンスター1体あたりのダメージ上限は今までのままにして、潜在覚醒「ダメージ上限解放」をつけたキャラのみダメージの上限が2倍になるという仕様です。
前述した通り、カンストを前提としたキャラ調整を行ってきた結果、ダメージ上限を撤廃することができなくなってしまったのです。
実際、9周年記念生放送で、山本大介プロデューサーはダメージ上限について「単純にカンスト値を上げてしまうと、もうゲームが崩壊しちゃうので、新潜在覚醒をつけたキャラのみ上限値が2倍のダメージを出せるようになる」と言及しています。
結局ダメージ上限が廃止されることはなかったため、今まで存在していたカンストに関する問題が解消することはなく、今後もダメージ上限を前提としたキャラ調整が続くことになります。
さて、一旦この問題は置いておくことにして、ダメージ上限解放の登場によって発生した良い点と悪い点を1つずつ挙げます。
まず、良い点は、変身キャラと非変身キャラの差別化ができるようになった点です。
以前は、変身してしまえば変身キャラが非変身キャラの完全上位互換と言えるだけの性能差がありました。
しかし、変身キャラは最大Lv.99という仕様上、ダメージ上限解放を振ることができず、最大で非変身キャラの半分の火力しか出すことができません。
ダメージ上限によって変身キャラと非変身キャラの差別化をするという調整は非常に面白いと思います。
次に、悪い点は、潜在覚醒の多様性が失われたことです。
上限解放が登場して以来、非変身キャラに上限解放を振り、変身キャラには初ターンの遅延で変身を妨害されないよう遅延耐性を振る、というのがお決まりのパターンとなっています。
本来、潜在覚醒にはキラー、属性軽減、パラメータ強化、ダメージ無効貫通、ダメージ吸収貫通、消せないドロップ回復、…等、優秀なものが数多く存在します。
しかし、ダメージ上限解放を振らなければ非変身キャラを使う必要がないと言っても過言ではないほど、ダメージ上限は重要な要素です。
そのため、攻略においてはほぼダメージ上限解放を基本とする潜在覚醒しか使われなくなります。追加でダンジョンに応じて目覚め耐性やリーダーチェンジ耐性を付けるくらいです。
一応、約半年後の 2021/10/06(木) Ver.19.6 のアップデートで6枠潜在たまドラにダメージ上限1.5倍という追加効果が付与されますが、依然としてダメージ上限の差が存在し、潜在覚醒の多様性があるとは言い難い状況です。
このように、ダメージ上限解放の登場で一時的に問題が若干緩和されましたが、一時凌ぎであり根本的に解決することはありませんでした。
閑話: 魅力的な新機能
9周年を迎えていくつか新機能が追加されましたが、私が非常に魅力的に感じた新機能/修正は2つあります。
1つ目は、前述の通りカンストが撤廃された (32bitから64bitに作り直した) ことです。
カンストの問題はダメージ、敵HP、所持コインのオーバーフローなど数々の問題の原因となっていたので、修正されてとても良かったと感じています。
開発陣の苦労は絶えなかったと思いますが、素晴らしい修正だと思います。
2つ目は、モンスター検索機能の追加です。
現在、パズドラには8000種類を超えるモンスターが存在しており、すべてを詳細に記憶しておくことは難しいです。
従って、編成を考察する際には検索機能が必須となります。
以前は外部ツールを用いて検索していましたが、モンスター検索機能が追加されたことで、編成考察まですべてパズドラアプリ内で完結させることができるようになりました。
もちろん、検索の基本である AND/OR/NOT でさえ使えなかったり、スキルやリーダースキルの表記方法に統一性がないことがあったりと言いたいことはいくつもありますが、ユーザの需要を理解してユーザが楽しみやすいような機能開発を進める姿勢にとても感動しました。
この2つの新機能は、ここ数年の機能追加の中で最も魅力的な機能の1つと言っても差し支えないと思っています。
機構城の絶対者とミカゲ化
三日天下の機構城
9周年を迎えてすぐ後の2021/03/03(水)に「修羅の幻界」に最終フロア「機構城の絶対者」が追加されました。
このダンジョンはすべての敵が動くことをコンセプトとして作られたダンジョンです。
余談になりますが、動くキャラと言えば2017年9月に初めて動くキャラとして実装されたイデアルが思い浮かぶと思います。
実際、イデアルの人気は今でも高く、10周年記念のモンスター総選挙決勝にラインナップされています。パズドラの顔としてボルケーノドラゴンに次ぐ存在となるまでそう遠くないのかもしれません。
因みに、私の優勝予想はイデアルです。
さて、その可愛らしさとは裏腹に、ダンジョン内容は困難を極めるものでした。
ダンジョン内容はほぼ前述の通りですが、カンストの問題がなくなったことで少し変化した点があります。
まず、無駄に先制999ターン軽減を使う敵がいなくなりました。また、上限解放に伴い、防御力33億の敵が出現したり、120億をワンパンできなければ発狂する敵がいたり、ボスのHPが1000億になったりしています。
さらに敵の火力も上がり、7Fガチャドラの65万ダメージ、ボスの102万ダメージが1つの目安となります。通常行動は30万~50万程度です。
ダメージ量からも想像がつくかもしれませんが、このダンジョンは言ってしまえばミカゲ用に調整されたダンジョンです。
理由は、ミカゲ以外の実質HP3倍リーダーでは耐久面で厳しい場面が多いということに加え、【全属性必須】を満たせる編成自由度の高いリーダーとしてミカゲに軍配が上がるからです。
実際、当時ミカゲ以外ではほぼクリア不可能だったと思います。
他の最新リーダーの耐久倍率が高くても3倍であることから、当分の間ミカゲ以外の安定攻略編成を組むことが難しいと想定されるため、このような最難関ダンジョンが長年幅を利かせるのも悪くはないだろうと考えていました。
しかし、機構城の絶対者の1枚抜き安定攻略編成が登場するまでそう長くはありませんでした。
因みに、機構城の絶対者の登場と同時に開催された星龍チャレンジはパズドラ史上でもかなり上位に入るくらいには多くの人の注目を集めました。例えば、YouTubeの実況者の生放送が100万再生を超えるなど、盛り上がりを見せる一大イベントになったと思います。
ロボの時代
機構城の絶対者が追加されて1ヶ月、2021/04/12(月)に新たなフェス限であるロボシリーズとしてロイヤルオークとノーチラスが登場します。
この2体は非常に簡単にリーダースキルを発動できる実質HP4倍の2段階変身リーダーです。
現状、通常は耐久倍率が最大3倍で、ミカゲはパズル難度が高い代わりに4倍耐久が許されているはずだったのですが、簡単に実質HP4倍の耐久を手に入れることができるようになりました。
因みに、この2体は初の2段階変身キャラであり、今後2段階変身キャラが徐々に追加されることになります。
ここでも少し前と同じように耐久面のインフレが進んでいますが、今回はさらに深刻な問題が発生します。
それは、ロボシリーズ以外でHP4倍近い耐久を持つリーダーが長い間まったく実装されなかったことです。HP4倍と言わず、HP3倍耐久を超えるリーダーすらほとんど実装されない状態が続きます。
ロボ一強時代の始まりです。
前にも述べたことですが、ここでは運営の意図に沿った編成以外を排除しようとする動きがさらに如実に表れているといえます。
このことは、ロボ実装だけでなく、コラボ等の他キャラ追加からも読み取ることができます。
例えば、ガンホーコラボで追加されたベリアル、クルセイダー、ゴーストリング等は明らかに最新リーダーや攻略を意識したキャラ調整がなされています。
ベリアルは攻略用の汎用的な超優秀サポートキャラ、クルセイダーはデイトナのサブ、ゴーストリングはブラックバードのサブというかなり明確な目的を持って実装されているように見えます。(正確には、ゴーストリング登場当時にはまだブラックバードは実装されていません)
ガンホーコラボは面白い性能のキャラや周回で使えそうなキャラがある程度実装されるコラボだという印象を持っていましたが、ロボが登場してからは最新の攻略リーダーを明らかに意識したキャラが登場するように変わっていると私は感じました。
これ以外にも、光属性のキャラは覚醒「2体攻撃」を多く持ったキャラばかり実装されたり、少し前のことですが初めて式神使いと妖が開催されたすぐ後にキャラ性能の高さから何度も再開催されたりと、あらゆる箇所から調整の方針を感じる場面がありました。
このような調整の結果、数種類の最新の攻略リーダーとして実装されたキャラ以外では難関ダンジョンに挑むことが難しくなり、パーティ編成の多様性が大幅に排除されたと考えられます。
神秘の次元と火力特化と表裏
星を紡ぐ精霊の圧倒的火力
ロボ登場から1ヶ月半後の2021/05/28(金)~2021/06/25(金)に新シリーズ「星を紡ぐ精霊」が開催されます。
このシリーズはすべてのキャラが変身キャラとなっており、最上位レア度の3体は7×6マスの2段階変身リーダーとして登場しました。
これらのキャラのうち、後に実装される次元の案内人でよく使われることになったキャラはハイビスカス (ロザリン) でした。
ハイビスカスは7×6変身キャラでありながら実質HP3.33倍の耐久を持ち、変身時スキルの汎用性が高く、自身のエンハンスに加えて属性コンボ強化による火力上昇も見込めるので、高速攻略に非常に適したキャラであると言えます。
列界の化身のような露骨な7×6潰しがなければ、それなりの高難度ダンジョンまでなら簡単に高速攻略が可能となるリーダーであることが容易に想像できます。
前述の通り、このような高速高火力攻略キャラは重宝されることになります。
次元の案内人と高速攻略
機構城の絶対者をミカゲ以外でも攻略可能となってきた頃、2021/06/29(火)に新たなテクニカルダンジョン「神秘の次元」の初フロアとして「次元の案内人」が追加されました。
機構城の絶対者ではまだ無効パ対策が不足していたのか、次元の案内人ではターン発狂のターン数が大幅に短縮され、15ターンから6ターンに縮まりました。
当然ながら、全員ターン発狂持ちです。
それに加え、称号チャレンジ「妖精チャレンジ」の制限時間も大幅に短縮され、90分から30分になりました。
これなら無効パで称号チャレンジをクリアすることはできないので、完璧な対策といえます。
しかし、この調整が高速攻略をより助長することになります。
まず、妖精チャレンジをクリアするためには13階層を30分以内で突破する必要があり、そのためには道中は1階層あたり最低でも2分以内に突破しなければなりません。
そして、道中の敵HPは約200億であり、ボスのHPは約700億です。
つまり、ほとんど思考せずに毎ターン超高火力をだせるパーティでないとクリアすることができません。
また、称号チャレンジを抜きにしても、全員が6ターン発狂持ちなので、毎ターン高火力を出せる編成でないとダンジョンのクリアすらできません。
例えば、リュウメイなどの高耐久リーダーでスキルを溜めながら着実にダメージを与えるような編成など、ゆっくりダンジョンを攻略する方法は認められません。
このように、高速攻略を強要することで、火力を出すこと以外の攻略法を認めない方針を取っています。
ここでも、パーティ編成と攻略法の多様性が大きく損なわれていると分かります。
さて、このような高速攻略を考えたとき、自然と浮かんでくるのが先程紹介したハイビスカスです。毎ターン平積みをするだけで簡単にカンスト火力を出すことができます。
この辺りから、サブの上限解放を振った非変身キャラも含めて毎ターンカンストレベルの火力を出すことが当たり前になり始めます。
余談ですが、次元の案内人の妖精チャレンジに関しては、称号の敷居を下げるためのチャレンジとしての意味合いが強いという印象がありました。
当時まだ対策しづらかったルーレットを多用されるものの、魔廊の支配者や機構城の絶対者のときよりはるかに挑戦しやすいダンジョン内容だったからです。
そのため、挑戦できるパーティの幅はかなり狭まったものの、このような少し易し目の高速攻略用ダンジョンがあっても良いと思い、神秘の次元シリーズは修羅の幻界とは違った中難度の高速攻略ダンジョンになるだろうと考えていました。
もちろん、そうはなりませんでしたが。
覚醒の類似と分業の否定
パーティ全員が毎ターンカンスト火力を出すことが当たり前になってくると、覚醒と編成の多様性の欠如に繋がります。
全員が火力を出せる必要があるため、全員がある程度以上の火力覚醒を持っていなければならなくなります。
なぜなら、全員が毎ターンカンスト火力を出せることを前提とした敵が登場するようになるからです。
実際、今後実装される「四次元の探訪者」には20億以上ダメージ無効状態で250億~500億を4ターン以内に削りきる必要のあるミルが出現し、「多次元の越鳥」には550億を4ターン以内に削りきる必要のあるユリシャが出現します。
これにより、全員がコンボ強化 (7C) や超コンボ強化 (10C)、無効貫通等の火力覚醒をいくつも持つようになり、覚醒スキルの多様性が失われます。
攻略を前提としたキャラとしては7Cや10Cを持っているキャラしか実装されなくなってしまいます。
さらに、編成の役割分担ができなくなります。
パーティには、自身の火力を上げる覚醒である7Cを多く持つキャラや、他キャラの火力の補助をする列強化を多く持つキャラ、回復力を補うために回復ドロップ強化を多く持つキャラなど、様々な役割を持つキャラを入れることで役割分担がなされている状態が望ましいと考えられます。
しかし、今のカンスト環境ではそれができません。他のキャラの火力を補助したところでそのキャラの火力はカンストしているため、サポートする意味がありません。
このように、自身の火力を出せないサポートキャラはほとんど邪魔者となってしまうのが現状です。
裏の新たな意味
火力が上限値に近づく中、2021/08/19(木)に新たなテクニカルダンジョン「裏・神秘の次元/裏次元の案内人」が登場します。
このダンジョンは表と比べて特定の2つのタイプを持つキャラのHP回復が4倍になり、敵の攻撃力が表の3.5倍になっているダンジョンです。
さらに、強化されるタイプは定期的に更新され、そのたびに出現する希石も変わるという仕様になっていました。
因みに、強化タイプの変更により希石を入手できない期間があるのは不便なので、5ヶ月後の2022/01/27(木)から強化タイプの異なる4種類のダンジョンがすべて常時挑戦可能になりました。
このように、タイプによる縛りによって編成に制限をかける代わりに強化倍率を高くすることで、様々な編成で攻略可能になりました。
「裏」は表に対して高倍率の強化をかけるという仕様により、裏に存在意義を持たせただけでなく、耐久倍率の若干低い編成など様々な編成が使えるようになりました。
ダンジョンの多様性、編成の多様性を持たせる非常に良い調整だったと感じています。
さらに、2022/01/27(木)に登場した「裏四次元の探訪者」では、表と比べると★6以下のHP回復が3倍になり、敵の攻撃力が2倍になっています。
裏次元の案内人はタイプ強化、裏四次元の探訪者はレア度強化とダンジョンごとに特性が異なり、表裏間の多様性だけでなくダンジョン種別間の多様性も担保されるようになりました。
今後もこのような多様性を認めるバランス調整がなされることを願っています。
発狂回避
神秘の次元の表のダンジョンも着々と増えていき、2021/10/21(木)に「四次元の探訪者」、2021/12/22(水)に「多次元の越鳥」が追加されます。
一応、これらのダンジョン内容にも少しだけ触れておきます。
両者ともダンジョン内容は前述の通りです。なお、四次元の探訪者では無効パ対策が足りていなかったのか、多次元の越鳥では1F~3Fのすべての敵が属性変化を使用します。
四次元の探訪者は機構城の絶対者よりも敵の火力が高いダンジョンとなっており、時女神の先制90万とミルの通常行動84万がダメージの目安です。
多次元の越鳥のダメージの目安は、四次元の探訪者と変わらないユリシャの通常行動84万です。しかし、神々の聖跡/転生ヴァルキリー-CIEL-降臨のオーディンと同じように、先制で攻撃力上昇を使用するラーやセイナが出現し、ますますダメージ軽減スキルの需要が高まったダンジョンといえます。
また、多次元の越鳥においては、敵のHP発狂ラインが全員10%であり、道中の敵のHPが200億~400億であるため、発狂の範囲に十分に入りやすいです。
ダメージ調整をしようにも6ターン発狂があるため細かい調整は許されません。
そのため、いかに発狂を回避するかというのがこのダンジョンの醍醐味であると言えます。
このようなゲーム性から、四次元や多次元からパズドラに不信感を強く抱くプレイヤーがますます増えたことと思われます。
実際、落ちコン等の運要素によりHP発狂を受けて負け、また1Fの「ピコーン、バン、ファォォーン ×4」からやり直すのは心が折れるでしょう。
これを受けて、2022/01/07(金)に、神秘の次元と神々の聖跡のHP発狂ラインを3%に下げる調整が行われました。
その後、前述の通り2022/01/27(木)に「裏四次元の探訪者」が登場し、再度「時空チャレンジ」が開催されます。
しかし、四次元の探訪者の無効パ対策が足りていなかったためか、裏四次元の探訪者は階層が1つ増えたにもかかわらず、制限時間が60分から45分に短縮されました。
ここまで逐一無効パの話題に触れてきましたが、ユーザが楽しむことと運営の気に入らないものを排除することの天秤と多様性の確保についてよく吟味したうえで調整を行ってほしいという思いを込めた結果です。
余談ですが、多次元の越鳥には「越鳥チャレンジ」が対応します。多分、「エッチョウ」の中に含まれるある言葉とかけたジョークということなのだと思います。
ダンジョンの更新頻度
難関ダンジョンの更新頻度を見ると、以前から急激に加速していることが分かります。
2年前に約4ヶ月間隔であった更新頻度が1年前には3ヶ月、今では1ヶ月~2ヶ月に変化しています。
さらに、後述する「神々の聖跡」シリーズも順次追加されているため、実際のダンジョン更新頻度はもっと速いです。
高難度ダンジョンに焦点を当てすぎて視野が狭まると、多様性が失われることは散々書いてきました。
今後はそういうことが起こらないよう、ユーザの需要を考慮して適切な頻度でダンジョン更新をしてほしいです。
閑話: システムに頼ったキャラ2
副属性のカンスト
ここまでで残り3体のロボにほとんど触れてきませんでしたが、ここではデイトナを取り上げます。
デイトナは2021/09/30(木)から、ロボシリーズの新フェス限として登場しました。
まず、このキャラの覚醒に注目してください。覚醒の倍率だけで355倍もの倍率を出すことができます。
どうせカンストするから覚醒の倍率が高くても意味がないと思うかもしれませんが、実はこれは副属性のカンストを視野に入れた調整なのです。
変身キャラは最大でも非変身キャラの半分である21億しか火力を出すことができませんが、主属性と副属性を合わせれば2倍の42億になり、非変身キャラに食らいつけるだろうという考えによるものです。
主属性と副属性が同じ場合は副属性は主属性の1/10の火力しか出ませんが、これだけの倍率が出るならエンハンスと属性コンボ強化により容易にカンストまで達します。
本来であれば、毎ターン数百億の火力を簡単に出すことができ、最新ダンジョンのボスのワンパンも狙えます。
カンスト前提の調整の結果このようなキャラが生まれてしまったわけです。
将来カンストが撤廃されるのが楽しみでなりません。
神々の聖跡の影響力
四次元の探訪者が登場する少し前の2021/10/06(水)に、新シリーズ「神々の聖跡」の初フロアとして「転生ヴァルキリー -CIEL- 降臨!」が登場します。
希石とギミックの一般化
神々の聖跡シリーズは、最難関よりは易しい難関ダンジョンという印象です。
このダンジョンではヴァルキリーCIELやオーディンの希石を入手することができ、それぞれの進化素材として使えます。
(ただし、ヴァルキリーCIELを編成した場合のみ希石が確定ドロップするので、実質1枚抜き編成にしなければならないという制約はあります)
次元の案内人とこのダンジョンは、ガチャ限モンスターの進化やアシスト進化に必要な希石は難関ダンジョンで入手するという慣例を作った最初のダンジョンであると言えます。
ダンジョン構成は前述した構成とは異なり、敵ごとに個性のあるダンジョンとなっています。
ダメージの目安はボスの12ターン目以降の99万ダメージです。敵はターン発狂を持ち、神々の聖跡の全体を通して11ターン発狂共通です。
ボスは50%以下で1度だけ花火を使用します。ドロップ供給が安定した最近では、欠損させる方法として花火がよく用いられるので、ここでもそれに便乗した形です。
花火は裏魔郎の支配者の6Fウィルオーウィスプくらいから使われるようになってきましたが、このダンジョンによって花火がより一般的なギミックとなりました。今では難関ダンジョン攻略時にドロップリフレッシュか陣スキルが必須級となっています。
また、ボス前のオーディンが先制で3ターン攻撃力3倍を使用するため、軽減系のスキルが必須となります。このオーディンの影響により、先制で数ターン攻撃力上昇を使用するキャラが少しずつ登場するようになります。
そして、このオーディンの登場後、数ターンのダメージ軽減スキルが多く登場するようになります。難関ダンジョン攻略を見据えたキャラ調整は欠かしません。
例えば、神々の聖跡追加直後に開催されたハロウィンイベントでは、2400円の確定ガチャキャラとして3ターンダメージ半減のスキルを持つハロウィン稲姫が追加されました。正直、あまりに露骨すぎると思いながら見ていました。
以上のように、神々の聖跡は今後の難関ダンジョンの存在意義やギミックを左右する、ある意味大きな意味を持つダンジョンだったと考えられます。
なお、この後も、アテナ-NON-、ゼウス-GIGA-、ヘラ-LUNA-と順に実装されることになります。
閑話: 変身と進化スキル
変身によってスキルを強くしたいが、カンストの問題により変身キャラを使うのは避けたい。この希望を叶えたのが「進化スキル」です。
進化スキルは2021/10/19(火) Ver.19.6.1のアップデートで新規要素として追加されました。
進化スキルは変身と同じように1度スキルを使うと次のスキルに置き換わります。
さらに、進化スキルはキャラ自体の変身ではないので、進化スキル持ちのキャラは非変身キャラであり、上限解放を振ることができます。
現状、進化スキル持ちのキャラはまだ多くありませんが、今後増えていくことが予想されます。
進化スキルが変身キャラのスキルほどの強さに達することはないと思いますが、今後の調整次第で変身キャラが進化スキル持ちキャラに置き換わっていくことになると思います。
そうなった場合、いよいよダメージ上限解放の存在意義がなくなります。この重大で困難な問題をどう解決するのか、今後の調整に期待です。
周回としてのパズドラ
ソーシャルゲームというジャンルは少しの暇な時間を埋めたり何かをしながら片手間にできたりと、小回りの利く点が魅力のゲームだと考えています。
従って、パズドラにおいても周回は重要な要素だと思います。ここまでは主に難関ダンジョン攻略にスポットを当てていますが、周回面での変化もたくさんありました。
遊び方の多様性を持たせるためには難関ダンジョン攻略以外にも目を向けることが必要です。
ここでは、パズドラの周回面における調整を振り返ります。
周回の定義
先程も述べた通り、「周回」と「攻略」は明確に区別して考えます。
周回とは、以下の2つの要素を兼ね備えたものだと私は定義しています。
- 再現性の高さ
- 速度の高さ
再現性は100%または妥協するにしても90%程度が目安です。
そのため、盤面に依存する攻略とは明確に区別されます。
ブレススキルと周回性能の遅れ
ブレスとは、ティラのスキルのように、スキル使用時に敵にダメージを与えるスキルのことを指します。
ブレスは周回速度向上において非常に重要ですが、最近はブレス周回を念頭に置いたスキル調整が全く行われていません。
現在、ブレス倍率は通常200~300倍であり、最高でも550倍です。
潜在攻撃強化++込みの攻撃力の最大値は約8000なので、頑張っても500万弱の火力しか出すことができません。
最新ダンジョンのボスのHPは1000億を超えており、これと比べると 1/2万 未満の火力しか出ていません。あまりに弱すぎます。
そんな中、固定ダメージスキルとして、範馬勇次郎の固定1000万ダメージスキルが2020/11/10(火)に追加されます。
本来、固定ダメージは防御力が高くHPが低い敵を倒すために敵の防御を無視してダメージを与えるスキルです。
そのため、固定ダメージのダメージ量は通常のブレスを下回っていて然るべきです。
しかし、難関ダンジョン攻略に焦点を当てたためか、なぜか逆転現象が起きています。
現状、ブレススキルの火力があまりにも低いうえ、固定ダメージとの差別化もできておらず、最悪の状況と言えます。
強キャラの強スキルの上方修正を考える前に、まず放置されているスキルに目を向けるべきです。
周回への配慮不足
周回性能の高いキャラが追加されたとき、周回への配慮不足を感じることが度々あります。
例として、ガンホーコラボのデフォルメメイシンについて話します。
このキャラは3ターン列生成スキル持ちであり、落ちコンなしリーダーとしても使えます。
このことから周回性能の高いキャラであることが分かりますが、自身の火力覚醒をほとんど持っていないので、周回時には自身がダメージを与える必要はありません。
それにも関わらず、なぜか副属性を持ち、しかも列生成の属性と同じ火の副属性なので、無駄に攻撃枚数を増やすことになります。(攻撃枚数が増えると処理時間が若干長くなります)
これくらいの細かいことはどうでも良いと思う方もいると思います。
しかし、周回面に少しだけ配慮して、ただ副属性を付けなければ良いだけなので、それほど難しい調整ではないはずです。
このように、細かい部分でパズドラに対する理解が足りていないと感じる部分が本当に多いです。
スキル演出の省略
2021/12/15(水) Ver.19.8のアップデートで、効果が発動しないスキル演出が省略されるようになりました。
上述の通り、無駄に消せないドロップ、バインド、覚醒無効状態を全回復などの効果が付いたスキルが増えていたこともあり、周回時に演出が省略されることは非常に大きいです。
このアップデートは周回面においてはある意味革命と言えます。
今までは、魔法使いシリーズのスキルのようになるべく処理数の少ないスキルを選択する必要がありましたが、今後は追加効果が発動しないようにスキルを選べばよいという風に変化し、今まで周回ではあまり使われていなかったスキルが日の目を見ることが期待できます。
さて、この機能追加の後、キャラ調整の面で面白いことが起こります。
これ以降に上方修正されたスキルはすべて、ロック解除、または、消せないドロップ、バインド、覚醒無効状態を全回復の追加しか行われていません。
つまり、スキルの上方修正には演出省略可能な効果の追加しか行われないようになったということです。
本当に徹底していると思います。もう木メノアのような失敗は繰り返したくないのでしょうね。
超つなげ消し強化とコンボドロップ生成
同じく2021/12/15(水) Ver.19.8のアップデートで、周回を推進する覚醒スキルの調整が行われました。
まず、覚醒「超つなげ消し強化」が追加されました。これは、ドロップを12個以上つなげて消すと攻撃力が12倍になる覚醒です。
この覚醒の追加により、花火周回でクリア可能なダンジョンが増えます。
以前は花火の火力をキラーに頼っていましたが、今後はこの覚醒が火力に大きく貢献することが期待できます。
次に、覚醒「コンボドロップ生成」が修正されました。修正前は10~12個つなげて消すとコンボドロップ生成とコンボ加算が行われましたが、修正後は10個以上で発動するようになりました。
この修正により、コンボ吸収やダメージ吸収の対策が簡単になる上に、攻略用の覚醒であった7Cや10Cも周回で活用することができるようになります。
これらの調整により、花火周回の幅が格段に広がりました。
攻略用の調整が行われることが多く、周回面のここまで大きな調整は久しぶりだったため、とても良い調整だったと思います。
因みに、コンボドロップ生成にはデメリットがあります。パーティにコンボドロップ生成を持っているキャラがいるだけで花火使用時に勝手にコンボ加算が発生し、周回速度の低下につながるという点です。
その対策として、敢えて一部の覚醒のみを解放することで、コンボドロップ生成の発動を防ぐことができます。
しかし、変身後にコンボドロップ生成を持つ例えばアポピスのようなキャラはすべての覚醒が必ず解放されてしまいます。
この点に関しては今後うまく調整してほしいところです。
話が逸れましたが、今回のアップデートでは今後も周回面の強化が続く兆しが見えました。
様々な人が多様な遊び方で楽しめるゲームになることを期待しています。
キャラ振り返り1: 無効貫通スキル
この記事も終わりに近づいてきたので、最後に、直近2年間で登場した周回キャラを一通り振り返ります。
まず、ダメージ無効貫通スキルについてです。
ダメージ無効貫通スキルの初登場は2019/04/12(金)に追加されたシェリングフォードのスキルです。
それ以前は覚醒による無効貫通しか存在していませんでしたが、追加後は無効貫通スキルを使用することで花火やブレス周回、多色攻略が可能となりました。
無効貫通スキルに関して最も印象的だったことは、ゼウスGIGAのスキルの上方修正です。
ゼウスGIGAはもともとHP全回復と光花火のスキル持ちでしたが、2021/04/28(金)に2ターンダメージ無効貫通が追加されました。
周回においては非常に画期的な修正であり、初めて上方修正を見たときの衝撃は今でも覚えています。
その後さらに、2021/09/18(土)にスターウォーズコラボのヨーダで無効貫通花火が追加されました。
現在、無効貫通花火スキル持ちは上記2体のみです。
また、花火以外にも固定位置生成のスキルが登場しています。
例えば、2021/02/22(月)のマーベルコラボで登場したハルクは無効貫通ロック解除列生成スキルを持っており、アシスト装備の覚醒も優秀でした。
このように、無効貫通スキルは周回において非常に重要な役割を果たすようになりました。
キャラ振り返り2: 落ちコンなし1コンボリーダー
花火周回や列周回をする際、1コンボで最大倍率の出る落ちコンなしリーダーは重要です。
ここでは、直近2年で登場したリーダーを振り返ります。
ドーナ
2020/04/10(金)~2020/04/27(月)、フェス限ヒロインシリーズの追加キャラとしてドーナが登場しました。
ドーナは花火だけで最大32倍を出せる超高火力落ちコンなしリーダーであり、花火周回には欠かせない存在となりました。
さらに、1年後の強化によって超覚醒にS+が追加され、スキブ6の落ちコンなしリーダーとして活躍することになります。
残念ながら1年半後にライバル(というよりほぼ完全上位互換)となるヨーダが登場して肩身が狭くなってしまいますが、スキルターンの短さや属性の違いによる攻撃枚数の差で今もなお出番のあるキャラであると言えます。
ゴルケイオス/ゴルフェイス
2020/08/03(月)~2020/08/31(月)に新シリーズ「大罪龍と鍵の勇者」が開催され、ダンジョンの隠しキャラとしてゴルケイオスとゴルフェイスが登場しました。
大罪龍と鍵の勇者は「式神使いと妖」や「星を紡ぐ精霊」と比べるとあまり目立たないシリーズかもしれませんが、最高レア度のキャラ以外にもこのような優秀なキャラが多数存在しています。
当時はまだウェルドールやラジエルがスキブ5の時代だったため、スキブ6を持つゴルケイオスはかなり貴重なキャラでした。
その上リーダースキルが落ちコンなし無条件13倍という周回性能の高いものだったため、サブのみならずリーダーとしての役割も持ち、多方面で活躍したキャラだったと思います。
ブレス周回や3人でワイワイ (3y) のグラビティ編成等で使った方も多かったことでしょう。
現在はスキブ6のキャラが溢れてきていますが、それでも入手難度の低さや副属性がないことから、今でも周回編成でよく使われています。
ラマモア
同じく2020/08/03(月)~2020/08/31(月)の大罪龍と鍵の勇者のおいて、ガチャキャラとしてラマモアが登場しました。
ラマモアはクリスマスサレーネに次ぐダンジョンボーナス3を持つキャラでありながら、落ちコンなし16倍リーダーとしても運用できる優れたキャラでした。
簡単なダンジョンの周回ではラマモア4体の編成が使われたり、スキルの優秀さから攻略ではアシスト装備が使われたりと、使われる場面が多かったと思います。
ところが今では、スキルや覚醒のインフレによってアシスト装備が使われることはほとんどなく、また、サンリオコラボの各種大魔女キティの追加と強化によって本体としても使われることがなくなってしまいました。
時代の流れは速いものです。
シェアト
2020/11/04(水)に行われた「3か月連続!既存モンスター毎月パワーアップ実施!」で強化されたキャラにシェアトがいます。
シェアトは元々汎用性の高い落ちコンなしリーダーとして使われていましたが、リーダースキルが強化されたことでより使いやすくなりました。
さらにこの後にも強化が入り、スキブが1つ増え、超覚醒に10Cが追加され、スキルに覚醒無効全回復の効果が追加されました。
今まで弱点となっていたスキブの少なさが改善されたことで周回リーダーとして使いやすくなったことに加え、2wayの強化と潜在消せないドロップ回復の上限上昇の強化とあわせて攻略キャラとしても使える性能を獲得しました。
攻略においては、4個消しだけでカンストに近い火力を出しつつ、覚醒無効回復と消せないドロップ回復を1体だけで受け持つことのできる優秀なキャラです。
昔のフェス限キャラが多方面で活躍できるように強化されたことは嬉しく思います。
マフゴロン
2021/01/08(金)~2021/01/15(金)に初開催された「ホッポ降臨」のダンジョン専用キャラとしてマフゴロンが追加されました。
降臨ダンジョンに難易度「絶壊滅級」が追加されてから、各ダンジョンごとに専用キャラが登場するようになりました。専用キャラは面白い性能のキャラがほとんどです。
ホッポ降臨は絶壊滅級2つ目の降臨ダンジョンなので、ジュロンド降臨の「エンケラス」に続く2体目の専用キャラになります。
性能としては、リーダースキルは他で代用できない唯一性がありますが、スキブの少なさから出番が多くはなかったと思います。
レナード・テスタロッサ
2021/01/25(月)~2021/02/08(月)に開催された富士見ファンタジア文庫レジェンドコラボでレナード・テスタロッサが登場しました。
富士見ファンタジアで印象的なキャラといえばリナ=インバースでしょう。最近になってようやくスキブ操作不可装備が登場するようになったというくらいには一強の時代があったキャラだと思います。
レナードについて、1コンボで最大倍率と固定ダメージが発動するリーダースキルは初めてであり、その上スキブ5を持っているので、闇の周回においては必須級のリーダー性能を持っていたと思います。
現在でも1コンボで最大倍率と固定ダメージが発動するリーダーは後述する不二周助と時雨とあわせて3体しか存在しないので、現役リーダーです。
ウルヴァリン
2021/02/22(月)~2021/03/08(月)に開催されたマーベルコラボで確定ガチャキャラとしてウルヴァリンが追加されました。
マーベルコラボは比較的周回向きの性能の高いキャラが多く、魔法石10個ガチャでも引く価値の高いコラボだったと思います。
例を出すなら、初の50%グラビティスキルを持ったサノスや上述のハルク等です。
数ヶ月前に、ウルヴァリンとほとんど同じリーダースキルを持った鬼舞辻無惨が鬼滅の刃コラボで追加されており、ウルヴァリンはリーダースキルの周回性能をより高めたキャラとなっています。
周回においてはスキブ以外の覚醒と副属性が余分ですが、現状では他に代用の利かない優秀なキャラです。
メイシン
2021/05/17(月)~2021/05/31(月)のガンホーコラボでメイシンが追加されました。
クリーオウ・エバーラスティンやダークツクヨミなど3ターン列生成が徐々に追加されてきており、メイシンも同様に3ターン列生成スキルを持ちました。
その上条件付きコンボ加算の落ちコンなしリーダースキルを持っているので周回においては非常に優秀でした。
また、ガンホーコラボでは2020/10/12(月)から進化素材のコパピーを使ったデフォルメ進化が実装されており、デフォルメメイシンもそのうちの1体です。
ヨーダ
2021/09/18(土)~2021/10/02(日)に開催されたスターウォーズコラボにおいて、確定ガチャキャラとしてヨーダが追加されました。
スターウォーズコラボは優秀なキャラが多いコラボであり、ヨーダの他にもアナキン等の注目すべきキャラがいます。アナキンのアシスト装備は初の無効貫通覚醒のアシスト装備であり、現状でもまだ代用の利かないキャラとなっています。
ヨーダについては見てわかる通り、超優秀な周回向きキャラです。
落ちコンなし40倍のリーダースキル、無効貫通花火、スキブ6とどれを取っても優秀で、とびぬけた性能を持っています。
周回の最強キャラランキングを作れば最上位に入ること間違いなしです。副属性さえなければ完璧だったと思います。
さらに、今後の調整によっては超覚醒に超つなげ消し強化が追加される可能性があり、さらなる活躍を見込める期待のリーダーです。
不二周助
2021/10/25(月)~2021/11/08(月)に行われたテニスの王子様コラボで最高レア度のキャラとして不二周助が追加されました。
テニスの王子様コラボは丁度進化スキルが実装されたタイミングで行われたコラボだったので、進化スキルの先駆者としても重要なコラボでした。
この不二周助が持つ、落ちコンなし1コンボで固定100万以上を出せるリーダースキルは初登場なので、超優秀な周回リーダーといえます。
固定500万であれば、簡単なダンジョンの周回は調整次第で根性スキップも狙える範囲です。
さらに、進化スキルでありながら4ターンと短く列生成スキルなので、周回においては自身のスキルも使えるので優秀です。
ゴーストリング
2021/10/11(月)~2021/10/25(月)に開催されたガンホーコラボで★6キャラとしてゴーストリングが追加されました。
無条件18倍落ちコンなしリーダースキルを持ちながら、スキブ4と10C3を持てる超優秀なキャラでした。
さらに、すぐ後にブラックバードが追加されたことや裏四次元が追加されたことで、攻略キャラとしてトップレベルの強さを誇るようになります。
このことからも分かる通り、今後も多方面での活躍が見込めると思います。
時雨
2021/11/22(月)~2021/12/06(月)に開かれた幽遊白書コラボで最低レア度のキャラとして追加されました。
幽遊白書といえばパズドラの一時代を築いた浦飯幽助を輩出したコラボであり、このように今もなおコラボが続いています。
時雨は本体もさることながら、アシストスキルが8コンボ確定のスキルとなっており、コンボドロップ生成強化前は周回において必須級の性能をしていました。
現状、ずらしで8コンボに達するスキルは存在しないので、今後も周回においては度々登場するキャラになると思われます。
さて、周回キャラを一通り振り返ってみました。
こうして思い返してみると、周回面の強化は適度に行われ続けていることが分かると思います。
行き過ぎた攻略面の強化さえ行われていなければ、かなり良い調整がなされていたと言えたかもしれませんね。
最後に
「多様性」という観点から、ここ数年のパズドラを振り返ってみました。
様々な意見を述べてきましたが、何よりもユーザが楽しめることが一番です。
今後もパズドラが多くの人に気持ちよく遊んでもらえるゲームであり続けることを願っています。
意見のある方は、本記事のコメント欄やTwitterのリプライに是非思いをお寄せください。
それでは、また。
2020~2021年のパズドラを一言で表すなら「多様性の排除」だと思います。
3万文字の思いを、パズドラの歴史とともに振り返りました。#パズドラ #パズドラ10周年 https://t.co/kTbb9DBObL
— Y.M 039日記 (@diary039) February 18, 2022
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